「人との会話が苦手だな…」と悩んでいる人は、意外と多いんじゃないでしょうか。
私も、話すことがとても下手っぴなんです。うまく話せなくて思いが伝わらず、モヤモヤしてしまうことが多々あります。
でも、不思議と「この人にならスラスラ話せる」「この人の前では緊張せずに話せる」という人もいます。話を聞くのが上手い人には、上手く話せている気がするんです。
ライターである私は、33歳・2児の母。実は最近、スナックによく通っています。
私がよく行くスナックには、ケイコママ(仮名)がいます。ケイコママとの会話はいつも楽しくて、心がスッキリするんですよね。
なんでいつもあんなに楽しいんだろう?と、ケイコママとの会話を振り返ってみると、あることに気づきました。
それは、ケイコママは「私の話をしっかり聞いてくれて、さらに話を引き出してくれている」ということ。
ここでは、ケイコママのように話を聞くのが上手い人になるべく、傾聴力を高めるポイントをご紹介します!
話していても楽しくない人ってどんな人?
まずは、人との会話を楽しめない理由を探ってみましょう。楽しいはずの友達との会話なのに、モヤモヤが残ってしまうのは何が原因なんでしょうか?
「うまく話せなくて伝えられないから…」「口下手だから…」
でも実は、それだけじゃありません。楽しい会話にするための鍵を握っているのは、話し手よりも聞き手なのです。
聞き手としての気遣いが足りないと、会話自体が盛り上がらずつまならいものになってしまいます。
たとえば、聞き手が次のような反応だと、どう感じるでしょうか?
自分の話にすり替える
「私も先週、かなり待たされたよ!外で待ってたから暑くていやになっちゃったわ〜。
まぁ、急いでたわけじゃないから別に大丈夫だったんだけどね」
このように、ナチュラルに自分の話にすり替えてしまう人がいます。通称「会話どろぼう」。
体験談を語ってくれるのはありがたいけれど、自分の話にすり替えたまま会話を別の内容に持って行かれてしまうことも多いです。
さらに「私は遅刻したぐらいでけんかにはならなかったけどね」なんてマウントを取られたら、気分は最悪。モヤモヤが残る会話はしたくないですよね。
否定する
「うわー、最悪だね」
「え〜、この店微妙じゃない?」
何を言っても否定する人とは、話していても楽しくありません。
否定的な意見を言うこと自体は悪いことではありませんが、言い方は考えてほしいところ。強い言葉を使うなら、フォローも必要ですよね。
反応が薄い
「うん」
「このお店のハンバーグがおいしいんだってさ〜」
「へー」
「こだわりのお肉で、焼き加減が絶妙らしいよ!」
「へー」
「ハンバーグ好きだったよね?」
「うん」
反応が薄く、自分ばかりが話している「会話の一方通行」の現象が起こると、なんだかさみしくてむなしい気持ちになってしまいます。
会話をする相手との関係性にもよりますが、会話はキャッチボールしてこそ楽しめるもの。
相手が空返事だったり、スマホをいじりながらの会話だったりすると「私には興味がないのかな…」と不安になります。
聞き上手のテクニック。傾聴力を高めよう!
では、話し手も聞き手も会話を楽しむためには、何かコツがあるんでしょうか?
会話を盛り上げる「話し上手」も大事だけど、「聞き上手」も同じぐらい大事。話を聞くのが上手い人は、「傾聴力(けいちょうりょく)」が高いといえます。
「傾聴(けいちょう)」とは、簡単にいえば「話を聴くこと」です。
しかし、ただふむふむと話を聞き流すだけでなく「相手が話やすいように聴く」「耳を傾ける」という聴き方を指します。
傾聴のポイントは、主に次の3つです。
②共感と理解を示す
③言葉を拾って質問を投げる
人との会話に苦手意識があるなら、きっと参考になるはず。ポイントを確認して、相手の話を引き出すのが上手い人になりましょう!
①興味を持って聴く(受動的傾聴)
1つめは、相手の話に興味を持って聴くことです。たとえば、ケイコママはこんな風に私の話を聴いてくれます。
ママ「あらそうなの!さすがだわ」
ユキ「不安だったから、本当にうれしくて」
ママ「そうだったの?よかったじゃない。いつもがんばってるもんねぇ」
こんなふうに、とにかく私に興味を持って話を聴いてくれるんです。ちょうどいいタイミングで相槌を打ち、気持ちよく私に話を続けさせてくれます。
「そんな風に聴いてくれるなら、このエピソードも話したい!聴いてほしい!」と思うんですよね。
相手に気持ちよく話を続けてもらうには、まずは「うんうん」「そうかそうか」と受け入れながら話を聴くことが大切。
「相槌の『さしすせそ』」は、単純なようでとても的を得ているんですよ。
「し」:「知らなかった〜!」
「す」:「すごい!」「すてき!」
「せ」:「センスいいね〜!」
「そ」:「そうなんだ!」
このように、相槌を打ったりリアクションを取りながら「興味を持って話を聴く」ことを、受動的傾聴といいます。
②共感と理解を示す(反映的傾聴)
傾聴のポイント2つめは、共感や理解を態度や言葉で示すことです。
ママ「あら、それは楽しみね!」
ユキ「3年ぶりにチケットが取れたから、すっごく楽しみなんです」
ママ「良かったわね〜!チケット取れないアーティストもいっぱいいるんでしょう」
ユキ「そうなんです、運が良かったのかも」
ママ「運が良かっただけじゃないわよ、日頃の頑張りのおかげよ!」
ケイコママは、私が嬉しかったことや楽しみにしていることを、自分のことのように一緒に喜んでくれるんです。
理解を示す方法として相手の言葉をそのまま言い直す「おうむ返し(バックトラッキング)」も有効。
でも、そっくりそのまま返すだけでは、逆に「上っ面の言葉しか聞いてないのでは?」と思われてしまう可能性もあるので、「おうむ返し+α」がおすすめです。
「運が良かっただけじゃないわよ、日頃の頑張りのおかげよ!」
ケイコママとの会話では、この「おうむ返し+α」の部分でより「そうなんです!ありがとうございます!」といった嬉しい気持ちが生まれました。
このように、共感と理解を示しながら聴き、相手の話を引き出すことを反映的傾聴といいます。
③言葉を拾って質問を投げる(積極的傾聴)
3つめは、相手の言葉を拾いながら質問を投げかけることです。
ママ「あら、めずらしいじゃない。誰とうまくいかないの?」
ユキ「上司とウマが合わないんですよ〜。よく分かんないけど、なんか嫌なんです」
ママ「そんなこともあるわよねぇ。何が嫌なの?厳しいとか?」
ユキ「厳しいっていうか…嫌味ったらしいんですよねぇ」
ケイコママは、知ったかぶりをしたり自分の考えを押し付けたりせずに、分からないことを素直に聞いてくれるので安心感があります。
質問してくれると「ちゃんと私の話を聞いてくれて、もっと知ろうとしてくれているんだなぁ」と感じて嬉しくなるんです。
さらには、自分にも良くわかっていなかったモヤモヤした感情を言葉にしていく過程で、だんだんと思考が整理されて頭がスッキリするんですよね。
このように、質問を投げかけて相手の話を引き出すことを積極的傾聴といいます。
まとめ:ほんの少しの意識で会話が楽しくなる。傾聴力を身に付けよう!!
人との会話は、ほとんど無意識で瞬時に反応したり声に出したりしている人が多いでしょう。しかし無意識だからこそ、ほんの少しの配慮があれば変わるはず。
スナックのケイコママは、まさに傾聴のプロ。話を聴くプロだから、相手の話をどんどん引き出せる会話ができるんですよね。
傾聴のポイントは、次の3つです。
②共感と理解を示す(反映的傾聴)
③言葉を拾って質問を投げる(積極的傾聴)
少しだけでも意識すれば、きっと話を聞くのが上手い人になれるはずです!